※会話文
「動画見てると最近めちゃくちゃ流れてくるんだよね。どれも似たり寄ったりの料理動画」
「な、なんつーことを……動画作るのがどれだけ大へ……うわ、そのドヤ顔何」
「拙者はVR映像もプロジェクションマッピング制作経験もあります故」
「そうだ実績あるんだったこの人……。……で、それがどうしたの」
「いや、あの内容で拙者の超絶プレイ動画より再生数多いのがムカついたから自分でもやってみようかなと思って。手伝って」
「理由がクソすぎる」
「そ、それにお菓子作りなんて、錬金術とほとんど同じでしょ言うて」
「言ったな?」
「(よし、これで自然になまえとラブラブ感匂わせ料理動画作れるぞ……)」※付き合ってません
「イデアくん」
「え、あ、その呼び方すごくイイ……! もっかいいってもっかい……!」
「イデア」
「ひっ、あ、はい……」
「この怪しげな料理は何……?」
「最近そればっかり食べさせられてて(※マスターシェフ)味覚と連動して手先が狂った可能性、アリよりのアリ……?」
「無いわ!! 何で私が補助に入っててしっかり分量も見てるのにこんなことになるの!? 機械いじってる時の器用さは一体どこへ?!」
「ヒィ! せめて棍棒は下ろして!!」
「めん棒!!!! 散々リドル君等の料理酷評してたくせに……」
「い、いいんだ……こうなったらオルトにやってもらうから……僕の弟は最強なんだ」
「動画投稿者としてのプライドは無いんか? だから最初は簡単なチョコ系にしようって言ったじゃん……クッキーってめちゃくちゃ工程多いんだよ」
「……ハッ!!」
「どうしたの」
「レシピを見て気付いてしまった……」
「何?」
「ケーキとクッキーだとケーキの方が材料集めるのも作るのも楽では……? そこに気付くとは天才か? 待って、今からでも軌道修正できる?」
「いや無理でしょ。初心者がそうやって思い付きで舵を取ろうとするの一番ダメな奴だから」
(お察しの通りホワイトデーに間に合わなかった産物です。)
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