まだ首ついてる

ジョニィ・ジョースター/jojo

※過去作のサルベージ

「なまえも物好きだな」

何時も被っているその帽子を指でくるくるさせながら、ジョニィは言った。くるくるといっても、バスケットボールを回転させるのと同じ感じであって決してスタンドを発動している訳ではない。そんなことした帽子に穴が空いてしまう。それはそれで面白いけど。

「ディエゴなんて顔だけだぜ?」

「君もね」

ディエゴの性格の悪さは知っているし、野心家だという事も知っている。それでもやはり見惚れてしまうのは、棘のあると知っていても触れてしまう薔薇と同じだろうか。それとも、彼が恐ろしく中性的な美しさを持っているからだろうか。それはどちらもジョニィには無いものだ。そもそもジョニィはまだ男とも言えない顔をしている。童顔と言ってしまえば終わりだが、ワガママ小僧なのは事実である。まぁそれも顔だけなんだろうけど。

「言うねぇ。でも同じ顔だけなら僕にしときなよ」

「何でよ」

「あいつはそのうち女から寝首かかれるよ」

そう言って、首を切るハンドサインをする。その表情は読めなかった。

ふと気付いたら、さっきまで回していた帽子を何時の間にか被って、何時も通りのジョニィになっていた。やはりそっちの方がしっくりくる。可愛い感じがする。

「あんたもね」

しかしまぁ、帽子が無い彼は少し色っぽかったのは認めよう。



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