日本人マスターに召喚された坂本龍馬とお竜さん2

謎パラレル空間
主人公は藤丸立香の妹
カルデアのような組織は存在しているが現状平和なために縮小されている
っていうのを今回決めました

兄と一緒に見ていたアニメの影響だろうか。こういうのを性癖っていうのか? いやいやそんな、好みのタイプってことにしといてよ。まだその括りでいけるくらい可愛いものでしょ。
しかしあれは形容するならばまさしく「興奮」だった。そう、私は確かに子供ながらに興奮したのだ。女のサガというやつなのか、分からないけれど。全身の毛が逆立って、心が燃やされた。確かに言えることは、早乙女博士は男を見る目があるということだ。
ギラギラと燃える信念、射殺す程の鋭い目付き。男、という概念に形を持たせ頭に叩きつけられたかのような衝撃。

「あれ以降、私は男に『漢くささ』を求めるように……!」
「そう……(心底どうでも良いなという顔)」
「あと血生臭さ」
「いや、ダメでしょそれ。このご時世に。……マスターの今後が心配だよ、僕は」

お前は私のお母さんかよ。知ってるんだぞ、一瞬世話焼き野郎と見せかけてお前が本当は弟属性だってこと。酔ったら私にすら甘えてくるし(実際彼は魔性の人たらしである)。兄ちゃんのところのアーチャーみたいに、エプロンとフライパンが似合うママ属性を備えてから私のママに立候補してほしいよね。まぁ残念ながら同時に彼氏候補からはどんどんかけ離れていくんですけどね。何様だこいつ。JKは彼氏づくりに必死なの。

「じゃあずっと一緒にいればいいだろ。お竜さんと龍馬みたいに」
「はは……そうあれたら色々楽しいだろうけど、無理だろうね」
「龍馬にしては珍しく言い切るじゃないか」
「現状希望はないからね」

「そう、現状……そして困るのは今後なんだよね! 現代の日本にいるのはヘタレかイキリ男かチャラ男のみ……イイ男がいないんだよ!」
「僕らの若干のシリアス会話ガン無視だね、すごいね。しかも個人の歪曲した見解だね」
「私が真っすぐと思ったらそれは真っすぐなの」
「悔しいけど僕マスターのそういうところは好きだよ」
「お竜さんもだぞ」

お竜さんは良いとして若干ライダーから諦観も感じられるの腹立つな。「日本の代表的な英霊なんだからもっと敬ってあげてよ」と、兄ちゃんから言われたことがある。彼は私に似たフツメンの割に2桁を超えるサーヴァントを従える中々にやべー人である。
しかし目の前にいる坂本龍馬という男。見た目からしても性格からしても最初からあまりに現代に馴染み過ぎているのである。少しでも溶け切らないように「ライダー」とクラス名で呼んでいるのは気まぐれな抵抗である。そんなに重要な訳でもない。最先端を目指し続けた男だと聞いてはいたが、ここまでとは。正直ぶっちゃけると……ないんだよね。威厳が。彼の飄々として、それでいて柔らかいところがなんともいえないというか。JKの相手をなめる速さをなめないでほしい。犬並みに上下関係を一瞬で悟るからね。彼ならタメでもいけるとすぐにわかったよね。他のJKへの風評被害はやめろ。
とにかく、感覚的には突然「家に転がり込んできた血のつながりのないおじさん」……みたいな。少女漫画でよくあるやつ……みたいな。ただし女の人も一緒なのでそんな甘い展開はないし彼氏候補からは程遠いわけだが。

「……そういえば兄ちゃんがこの間召喚してた“いぞー”って人、ちょっとタイプだったな」
「いやいや英霊と恋愛なんて辞めた方が良いって…………は!!?? 以蔵さん!?」
「ああー確かにナメクジならいいかもな。あいつ基本的に血生臭いしかなりムキムキだしあと臭いし」
「それお竜さんの悪意ねじ込みすぎでしょ。以蔵さんの名誉のために言うけど、少なくともサーヴァントの今は臭くないよ! 多分」
「いやぁ、でもメイヴちゃんが男の体臭もなかなか良いものだって前に」
「これは君の将来のために言ってるんだけど、今度から他のサーヴァントに会う時は僕も同行するからね? 絶対呼んでね?」
「お前にママ属性はまだ早いって言ったでしょ!」
「言われたことないけど!? そんなこと思ってたのかい!?」
「あっやっべ」

「(そういえばあいつ、ヘタレだしイキってるしチャラ男だから悪条件コンプしてるなと思ったけど面白いからお竜さんは黙っておくぞ)」



back
© 2024 WORM HOLE . Powered by WordPress. Theme by Viva Themes.