もしも藤原の妹が融合次元にいたら2

※GX藤原優介の妹設定。名前変換はありません。

「こちらは私の上司である貴方が一足先にスタンダード次元に行ってしまったので、毎夜送られてくる報告をただレポートにまとめるだけ。そこそこ暇になってしまったぞ~って時に、同じく暇な上司の上司がたまにちょっかいかけてくる刺激的な毎日が続いております」
「すっごい説明口調。何書いてるの?」
「デニスから一方的に送られてくる報告書があまりに私事で腹立つので皮肉をたっぷり込めてこちらからも送り返してるんですよ。今回はついでに偽のプロフェッサーからの書類を威嚇でいれておこうかと」
「君も顔の割にいい性格してるよね。……それと僕は別に暇ではないからね?今みたいに暇してる君を定期的にひっぱたきに来てるだけだからね?分かってるの?」
「そういうユーリ様もたまにそこのソファで寝てますよね」
「寝てないよ」
「ドリアードも爆睡していたと言っています」
「カード突き付けながら言われてもね……。あれは瞑想だから」
「……そうですか」
「ねぇ今の瞑『想』にかけたの?ウザいんだけど」
「(そういう考えに至ったあんたがウザいわ)」

「ところでこのぶさいくな落書き何なの」
「何言ってんですか。これはユーリ様ですよ。前に一度空白部分が寂しくて描いてみたらデニスに大ウケでして。私もしかすると絵の才能あるのかもしれません」
「……とりあえずここは君の絵の才能の無さを哀れむだけにしといてあげるけど。……じゃあこのマダツボミとマスキッパをぶさいくにしたようなモンスター達は何?」
「マダツボミとマスキッパですけど。あともう一体はベジーモンです。ポケットとデジタルの夢のコラボです」
「……藤原、一応聞くけどなんで描いたの?」
「ユーリ様にお似合いじゃないですか」
「……」
「……」

~無言の攻防(物理)タイム~

「君がまともに仕事をしていないのがよく分かった。デニスからの報告書を貸して。僕がプロフェッサーに報告する」
「いいですけど……これ読めば分かりますけど私よりもデニスの方がよっぽどだと思いますよ」
「は?」
「なんというか。大会までしばらく余裕があるのか、ただの観光日誌みたいになっているんです」
「は?どういうこと」
「昨日はスタンダード次元のブロードウェイミュージカルを見に行ったそうです。余程興奮したのか、いつもより字が荒ぶってます」
「あいつ帰ったらただじゃおかないから」
「エンタメがどうこうと書かれていて……私にはよく分からないのですがね。でも、デニスの言う『エンタメ』デュエルは初めて見た時は、感銘を受けましたね。その原点がミュージカルというなら、私も見てみたいですけど」
「ふぅん。……僕もエンタメデュエルくらいやろうと思えばできるよ」
「……本当に?」
「うん。ソーンウィップで123!ってね」
「(それ本当に楽しいの自分だけのような気がする……)」

「……というか君の上司の上司に当たる僕にその報告がないってどういうことなの。デニス野放しにしてたら本当に何しでかすか分からないよ。全請求アカデミアなんだけどどうしてくれるつもり」
「最初はちゃんとスタンダード次元での調査内容を事細かに記載してくれてたんですけどねぇ。ほぼデータは集め終わって、こちらとしては言う事なし。向こうも今は暇なようで。どうせなら今の内にスタンダード楽しもうっていう考えにシフトしたみたいです。優秀なのかそうでないのか……お言葉ですけど、そもそも時期が早すぎたのでは?」
「腐ってやがる……」
「でもユーリ様に言ったってしょうがないじゃないですか。プロフェッサーからの指示がない限り、私達がスタンダードに行くことも、デニスと通話することも許されないんですから」
「……じゃあ僕が今回彼にメッセージを送ろう。帰ってきたらただじゃおかないってね」
「それもきっと無駄ですね」
「……何で」
「何でって……デニスって正直ユーリ様のこと……なめてるよね?」
「そういう君が一番なめてるよね?」

おまけの独り言デニスside
「ホームシック……にはならないけど久しぶりに藤原の面白みのない能面顔が見たいな……。……。報告書ももう特に書くこともないし、ラブレターでも送ってみようかな!そう考えると相手が例え藤原でも女の子って時点で俄然やる気湧いてきた。やろ。僕の文才とテクニックだけで藤原落とそう。暇だし」
「この景色をいつか君と……っと、よし書けた。任務終わってまた会う時が楽しみだね~どんな顔してくれるんだろうね。……よし、今日の一仕事終わり。寝よう」
「おや、今回は珍しく返信が来ている。……相変わらず事務的な内容だな~こんなの見てもつまらないよ。期待してソンした。…………ん?この生物は何?JO、E、RI……アッハハこれユーリ!?最高、最高だよ藤原!!センスあるよ君!!」
「……リップサービスとはいえ、あの子口説き文句だけまるで無かったかのように総スルーしてくるんだけどなんなの」

「うわユーリからもなんか来てる。こわ」

 

 


 

「あの人、結構表情豊かなんですね。というより、温度差が激しい」
「ん~まぁ藤原に比べれば誰でもねぇ」
「私だって人並みに笑いますよ、上司の前では笑わないだけで」
「そんなの気にしないでいいのに……」
「笑うといえば先日、タイラー姉妹と少しだけお話する機会があったんですよ」
「え、あの美人姉妹?」
「はい。対して関わりはなかったんですけど……、私の顔を見て愉快そうに笑っておりました……いじめでしょうか」
「寝癖でもついてたんじゃない?」
「寝癖……はなかったはずです。あの日はプロフェッサーにも謁見しましたので、身なりだけは…………あ、そういえば」
「そういえば?」
「わかめ、とかなんとか言われたような」
「あーそれは寝癖っていうかもともとの癖っていうか……ぷっ、言われてみれば確かに、君の髪ワカメっぽいよ!」
「……わかめ(一生懸命ブローした髪ですら……わかめ……)」
「わかめいいじゃん、僕好きだよ。ね、ワカメちゃん」
「……そういうデニスはもみじみたいな頭してますよ」
「いやぁ悪いけどそのあだ名は大先輩に譲るよ」
「ぐう」



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