壁の向こうに

「お前最近なんか……」
「ん?」
「けが多くないか?」
「私はもともとフッサフサですけど」
「いやそっちじゃなくて。怪我だよ、怪我。なんか今日はいつにも増して不細工になってねぇ?」
「いっけなーい手が滑ってオビトの顔面にロケットパンチが」
「当たりませーんお前のロケットパンチには限界があるんだよ!何故って?それは飛ばないから」


スッ……


「射程距離内に……入ったぜ……うちはオビト……」
「ハッいつのまに!」
「出しな……てめーの……かと……んは使えないオビトくんでしたねつまんねーな。……やめて、胸ぐら掴まないで。本当のこと言っただけでしょう!」
「さも自分が被害者みたいなツラしやがって……絶対にいつか俺の火遁で灰にしてやるからな」
「へぇ楽しみ。待ってるから……あ、待ってたといえば第4部アニメ化おめでとう」
「いきなりどこ見てしゃべってんだてめーは。怖ぇよ」
「第4の壁の向こうにだよ、第4部だけにね」
「うまくねーし。言ってやったぜみたいな顔すんな」

「で、何。オビトくんは私の顔の心配でもしてくれたの」
「いや、純粋な興味」
「ふーん。まぁ、これは別にたいした怪我じゃないよ。今日ガイと一緒に特訓してたんだけど、最後の最後であいつの蹴りを躱せなかったんだよねぇ」
「……お前今日もあいつと一緒に特訓してたのか……物好きな奴」
「ははは、私と遊んでるガイも知らない男子達から物好きだって笑われてたよ」
「……お前、それでいいのか?」
「え?別に?」
「まぁお前等がそれでいいなら?俺は何にも言わねーけど?関係ねーし?」
「そうだね」

 

*

 

n年後

「火遁・豪火球の術!!」
「チィーッス出会い頭火遁の術アザース」
「……純粋な疑問なんだが、どうやったらお前を殺せるんだ?」
「うーん、もっと強い火遁じゃないと駄目じゃないかな? 豪火球の術もね~『よっうちは!』って感じがしてすごく良いんだけどさぁ、何て言うの? ちょっとマンネリ気味っていうか……。実はマダラ様の時代で飽きてたって皆も言ってたし……この際もっと新しい? 感じの? しかももっとあったかい術が良いっていうか?」
「お前……もう……頼むから消えてくれ……うちはの前とまでは言わないからせめて俺の前から……!」
「何を言っているの、私はオビトの心の中で生き続ける……!永遠にね!」
「消えろマジで……! 100円あげるからッ……!!」

だるま落としの要領で片っ端からオビトのプライドを折っていくスタイル。